大工見習にちにち日記『かつら直しと裏押し』
皆さん、『鑿』という字、なんと書いてあるか読めますか?
~ 金の上に、業を臼に差し込んだようなのを乗せて、投げる ~
「ごう?」「よろい?」「はりがね?」
この字、『のみ』と読みます。
木材に穴や溝を作ったり、木材の一部を切り欠いたりする大工さんの大切な道具です。
この日本伝統の大工道具を4月から弊社に加入した大工見習い、大田くんが手入れをしました。
今回の彼の任務は『かつら直し』と『裏押し』という作業。
実はこのノミ、買ってそのままでは、正しく使える状態ではないそうなのです。
(この令和の時代になぜ……???)
末永く、彼のパートナーとなってくれるよう、
まず、はじめに取りかかったのは『かつら直し』。
柄の底に付いている、この太いリングが『かつら』です。
この『かつら』を一度柄から取り外し、柄を叩き細くし、
リングを2~3mm残して奥まではめ直し、はみ出た部分を叩いて平らに潰す、という作業。
こうすることで15年、20年経った時、かつらが潰れて変形してしまったり、
柄からポロっと外れて使い物にならなくなってしまうことを防げるそう。
末永く、ノミを使い続けるために必要な作業なのだそうです。
(買った時になぜその状態になっていないの?……と思うのは邪推なのでしょうね)
さて、しっかり『かつら』がついたところで、お次は『裏押し』。
上の写真(↑)が『裏押し』を施す前で、下の写真(↓)が施した後です。
これの何がダメなの…?と思っていましたが、磨き上げられたノミを見て、唸り声が出ました。
確かに!
ピッカピカ!
新品のノミは完全な平らではなく、使い手が何度か裏押しを重ね、平面を作るのだそうです。
(だから、この令和の時代にry……???)
ちなみに、私が裏だと思っていた面(←)が表で、
表だと思っていた面(→)が裏なのだそうです( ゚∀゜)へー
得意げに話してくれた大工見習い・大田くんは、とっても頼もしく見えました!
この後、先輩大工にこのノミを見せ、
「これじゃあ~ダメだぁ~」
な~んて言われておりました( ´ω`)
にちにちがんばれセダケン見習い大工たち!
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